緑豊かな土地に転校した最初の秋のこと。運動会は近隣住民や親戚も見に来る一大イベントでした。同じ背かっこうの子ども達の中、髪型で見分けていたのですが、私は時々見失ってしまうのに、親戚はみな「ほらあそこ」と代わる代わるに教えてくれます。どうしてわかるのと聞くと「体操着が違うから」と口々に言います。前の学校と同じデザインだったからそのまま着せたのに、おかしいなと思いつつ体操着をみると、なるほどまっ白な体操着の中我が子は「きなり」で、1度それとわかってしまえば見つけるのは簡単でした。
合成洗剤で洗うとすすぎを2~3回しないとかゆがるので、漂白効果のない昔ながらの洗剤で洗っていました。すすぎは1回でいいし、かゆがらないし、こんないいことはないと思っていたのに「きなり」になるとは。子どもが気付かずにいてくれることを願っていましたが、高学年になってから「間違った体操着を買ってるんじゃないの?」と言われ、それからは我家のせっけんをどうするか、すったもんだがしばらく続きました。
繊細な男ごころ? No.2 に続く。