
顔に症状が出るようになった直接の原因はよく分かりませんでした。
ただ、10代はホルモンバランスが変化する時期です。
そのうえ夜更かしもするし、大人の目の届かないところで暴飲暴食もします。
その年頃は、免疫バランスに悪影響を与え、アトピー性皮膚炎が悪化しそうなことはたくさんやっていたと思います。
本人は顔にステロイドを使いたがらず、病院に行くことも嫌がるようになりました。
学校に行くとクラスの女子から精神的に傷つく言葉を浴びせられ、口は傷のためうまく開けることができず、あの頃は本当につらかったと思います。
ステロイドを使わず自然治癒を待ちたいという本人の気持ちを大切にして、私はその方針を受け入れました。
傷口に沁みないように味の薄いスープを作り、本人は左手で自分の唇を押さえ、右手に持ったティースプーンに少量すくったスープを少し空いた隙間に流し込むようにして食事をしていました。
本人はそうした努力を淡々と続け、弱音を吐くことはありませんでした。
親としては病院に行かせたい、早く治したいという気持ちが強く、自分の腹立たしさや不安をひたすら我慢して、ハラハラしながら子どもの様子を見ていました。
でも、女子の酷い言葉も淡々と受け流す努力を続ける本人の姿を見ると、本人の決意を支えるしかありませんでした。