高校入学以来、自転車通学を始めて2年目になるKくんは、小学生の頃は喘息の発作をよくおこしていました。
いつの間にか発作を起こさなくなり抗アレルギー剤や発作の時に飲む薬ももう何年も必要がなくなっていました。
ところが最近、家を出る時は何も症状がなかったのに学校に着く頃には目の周りが真っ赤になりヒリヒリと痛くなったり、鼻がむずむずして鼻水が止まらなくなったり、咳がとまらなくなったり、どうもすっきりしない日が続くようになりました。
そういえば去年もこんな症状が出て、お医者さんに行く行かないとお母さんと言い合いになったことがありました。
「自転車通学の20分間は車の多い道を避け、いちょうや桜やその他様々な樹木が茂る公園の中や土手沿いの道を選んで走っています。排気ガスも杉の木もない気持ちのいい道を走っているのに、どうしてこんな症状が出るようになったのでしょうか。これは花粉症なのでしょうか。」
くしゃみや咳が止まらない時は息が苦しくなる様子を見ると喘息の再発かもしれないと親子で話したこともあるそうです。
ご本人もお母さんもとても不安そうです。
Kくんの話を聞いて思い出したことがありました。
環状八号線の上に並ぶ雲を発見した方の著書の中で
「車がたくさん通る道路上の空気は温かく、上昇気流ができる。都会のオアシスはその外側に広がる環境よりも気温が低くなるので、排気ガスや飛散花粉は低い温度の場所に下降する」
と解説していました。
Kくんの通学路はまさに都会のオアシスで、下降気流が花粉を集めて降りてくる場所だったのかもしれません。
目の周りのヒリヒリは去年よりも今年の方が酷くなっているそうです。
耳鼻咽喉科に行けばアレルゲンを調べるだけでなく、症状を緩和するための処置をしてくれます。
体に合う抗アレルギー剤を処方してもらえば、今年には間に合わないかも知れませんが、早く対策することで来年の花粉飛散の時期にはひどくならずに済むかもしれません。
花粉飛散の時期は自転車通学をやめてバス通学にするなど、行動面でも対策の方法はあるかもしれません。
行動パターンの見直しはひとりでやるよりも何人かで検討した方がうまくいきます。親子でよく話し合って知恵を出し合ってくださいね。