薬を処方されるとき、年齢、体重、症状や解決すべき課題にあわせて薬は選ばれています。
正しい選択による処方であっても人によってはその処方が体に合わなかったり、効果がないと感じたり、効きすぎると感じたりすることもあると思います。
特定の薬を長く飲み続けていると、その薬が何であれ「飲み続けていいのだろうか?」という漠然とした不安がついて回ることもあるでしょう。
「もっと良い治療があるのなら、今の治療を漫然と続けていたくない」という思いから「もっとすっきり早く治したい」と焦ったり「早く治らないのは今診てくれている医師の力不足のせいだ」と思い込んでいる人と出会うこともあります。
市民の立場でお話しを聞いている私たちは、「処方された薬を飲んでみてどうだったかという情報は、処方した医師にとっても大事な情報なので、それを医師に返すことは医師と患者の双方にとってとても有益だ」とお伝えしています。
実際に医師に気持ちを伝えて「処方結果を聞けてよかった」と言われて「体に合う薬を一緒に探してもらえた」といううれしい知らせをいただくこともありました。
しかしその一方で「長く飲んでいるけれどあまり効果がないような気がする」と口にしたとたん「だったら別の病院に行ったら?」と冷たい態度を取られたり、不機嫌になって会話できなくなったり、散々な思いをした出来事もたくさんお聞きしています。
抗アレルギー薬のほとんどは長期に服用しても身体に悪い影響を及ぼしにくいものだと言われています。
それでも不安になったりもっと良いものはないかと思ってしまうのが親心なのですから、お医者さんは怒ったり突き放したりせずに親心に耳を傾けてほしいです。
「あの医師に処方された薬が効かなかったから別の医師を探す」という行動は、大事な情報交換をしないまま患者が医師を放り出すわけですから、これもやってはいけないことなのだと思います。
でも何回か対話を試みてうまくいかなかったときは、対話できる医師を探す旅に出る必要があるだろうといつも感じています。