例年「とびひが長引いてつらい」というご相談が夏から秋にかけて増えてきます。
とびひは、あせもや虫刺されの後のひっかき傷などが原因となって細菌が増殖して皮膚症状が起こるもののようです。
ご相談の電話ではつらい状況をたくさんの方々からお聞きしました。
とびひは細菌感染で起こるため、ご本人や家族にとっては強いかゆみにさいなまれるだけでなく、人にうつさないように気を付けたり、時には保育園や学校を休むように指導されることもあるとても厄介なものです。
医師からは、傷口を菌にさらされないようにするために、虫刺されや汗疹をかきこわさないようにすることや、子どもの爪をいつも短く切り清潔に保つことなどが予防の近道と言われます。
しかし、子どもの多いご家庭や共働きでお互いに繁忙期が重なったりすると目の行き届かない時もありますから、思った通りには行かないこともあります。
どんなに気を付けていても、プールの授業の後に感染してしまうこともあります。ひとたび感染してしまうと亜鉛化軟膏などの薬をせっせと塗り、患部をきっちり覆って人にうつさないよう配慮しなければなりません。
予防、ケア、治療、再発をひと夏に何回も経験する人もいました。
それが何年も続くと「もういや、本当に嫌」という気持ちにもなります。
とびひのことでは、そんなお話しをたくさんお聞きするのですが、意外なことに相談の主なテーマはこれらのことではありません。
大きくはふたつあり、1つは夫がこの四苦八苦にあまり興味がなく協力的ではないことです。
もう1つはかゆみ対策に出される抗アレルギー薬についての不安です。
「飲まなければいけないものなのか?」「いつまで飲めばいいのか?」「効いている感じがしない」といった薬に対する疑問や不安について話す人がとても多いと感じます。
もちろん、スマートフォンで検索すれば、正しい知識を得ることはできます。
知識としては理解できても、「実際のところどうなの? かゆみが落ち着かないのに飲まなきゃダメなの?もっとすっきり治る方法はないの?」というお気持ちが本音なのだと感じます。
予防とかゆみ対策は子育ての永遠の課題です。