アトピー性皮膚炎がよくなったり悪くなったりが続いている小児期の子どもたちの家族から「痩せている」ことを心配するご相談が時々あります。
「手足が細く、身長ばかり伸びて体重が増えない」
という7歳の男児は、ご飯や野菜を食べず、ハンバーグやポテトチップスばかり食べていて偏食、手足や顔にたくさんかきむしった跡があり、薬を塗っても治らない。
子どものアトピー性皮膚炎について夫婦で口論することが多く悩ましいと、めずらしくお父さんから相談がありました。
子どもは寝ている間もずっと手足をかいていて熟睡できておらず、学校にいる間はぼーっとして家にいるときは暴れている、集中できないということもお父さんは心配している様子でした。
お子さんが偏って食べているものは油脂と塩分が多い味の濃いものでした。
私たちは栄養士や医師ではありませんが、長年アトピー性皮膚炎のお子さんの様子を聞いていて、油脂、砂糖、塩分が多すぎると悪循環が続き、症状が改善しないことを多くの事例から学びました。
もちろん相談くださった方も油脂と味が濃いものばかりを食べていることが身体に悪い影響を与えることを知っていました。
お父さんはただ「ではどうしたらいいのか?」という気分から抜け出せないでいるのだと感じました。
市販のハンバーグの味を薄くすることは難しいので、できればひき肉、玉ねぎ、パン粉、お好みでキノコやすり下ろした人参などを入れた手作りハンバーグを作ることをお勧めしました。
味付けは塩だけを使い、野菜のすりおろしを入れると少し「ゆるく」なるので卵を使わず、親子でコネコネ、ペタペタしてたくさん作ると、野菜や食事作りにも興味がわくのではないかと思ったのです。
たくさん作った生地を小さめのハンバーグに形を整え(お団子をつくりそれを平たくしていく感じ)、1つずつラップでくるんで冷凍すれば、いつでも食べられます。
子どもはお肉をぐちゃぐちゃするところで飽きてしまうかもしれないのですが、その時に強く𠮟りすぎると作戦は失敗してしまうので、ところどころでちょっとだけ参加するだけでも、
「えらいね! 頑張ったね! 面白かったね!」
と盛り上げるようにして、食べるときはあまり騒がず、まあまあだなという感じでみんなで味わい、本人が「おいしい」といったときは、そうだね君が作ったんだからおいしいよと同調する。
「味が薄い」と本人が言ったときは、じゃあ今度は味がちょっとだけ濃いのをまた作ろうよと誘い、その場ではちょっとだけケチャップをつけたり、味の濃い付け合わせを一緒に食べるなどしてやり過ごすなど、細かい作戦をたてました。
お母さんにはあらかじめ「こういうことをしたい」と子どものいないところで説明し、
「台所の片づけはお母さん手伝って」とお願いすることも大切なステップです。
これにチャレンジしようとする男性が登場したことに、私は大きな驚きを感じました。
お父さん素晴らしい!