株式会社日本免疫粧研 / JAPAN IMMUNITY COSMETICS LABO

Column

子育てとアトピーと

電話相談の話題や子育て中の出来事などにふれながら、様々なテーマについて考えます

「すすぎ残りなし」のこと

プライベートで友人たちと食事をしたときのこと
「中学生になったらうちの子は急におでこのあたりにブツブツが出てきて、薬を塗って治ったなと思ったらまた出てきた。思春期って大変ね」と、肌トラブルの話題になりました。

お気に入りのシャンプーがあって、それは家族にも使わせない大事なアイテムなのだそうです。

「娘さんは中学1年生?」と尋ねると「もう3年生よ。中学1年の時はおでこだけだったけど、今はあごの下とか耳の後ろにも広がってる。」とのこと。

ここまで聞いて筆者はデジャブを見ている気分になり「シャンプーのすすぎを徹底して、髪の毛だけでなくシャンプーの泡がかかりそうな顎や襟足も、洗い忘れがないように丁寧にシャワーで洗い流すようにしているかな?」
思わず気になったことを言ってしまいました。

だいぶ前のことですが、同じような症状の男の子のお母さんと話し合ったことを思い出したからです。

その男の子は4歳ごろまでは少しアトピー性皮膚炎があったけれど、その後はまったく症状がなかったのに中学生になってからおでこや耳の後ろなどにどんどん症状が広がって大変な思いをしていました。

お母さんとは男の子の暮らしぶりをあれこれ確認しながらたくさん話し合いました。
そして数カ月かけて取り組んだのは、お母さんが以前から気になっていた「石けんのすすぎ残り」を無くすこと」でした。

ダメもとで始めたことでしたが成果はありました。

その後もおでこのあたりの髪の生え際と耳の後ろは割と早く症状が落ち着いたものの、襟足と顎はまだ少しかゆい時があるという時期がありました。

それからお母さんが思い立って男の子のお気に入りのシャンプーをやめさせて、刺激の少ないものに変えたところ残る症状もなくなりました。

友人の前で思わず口にしたことを反省して「みんなが同じ原因だとは限らないので参考情報でしかないね」と私が口ごもっていると、「やってみても害はないよね」と言って、友人もまた娘さんと一緒にシャンプーの洗い残しなしを目指すようになりました。

その結果には私も驚きました。

親の手が離れ子ども一人でお風呂に入るようになるのは小学生くらいの年齢なのに、どうしてこの二人の中学生は「すすぎが足りなかった」り「泡が皮膚に残っていた」りするのでしょう。

気がそぞろで集中力を欠いていたり、何か別のことに注意が向いていたり、そういったことがある年頃なのかもしれません。

市民の立場で電話相談を受けている私たちは、医師のように「治す」ことに直接かかわるような指導をするわけにはいきません。

でも今回のように生活の中で起こる出来事を話し合いながら、何かのヒントを電話の向こうの人と一緒に発見できることもあります。それはとてもありがたいことです。

Column List

    繊細な男ごころ?(1)

    繊細な男ごころ?(2)

    災害支援でであうこと

    災害弱者支援のこと

    綿毛布と衣類のこと

    電話相談の記録から―

    お母さんのケアにも応援が必要

    おっぱいをやめればアトピーが治る?

    箱ティッシュのこと

    憂鬱や不機嫌はアトピーのせい?

    「すすぎ残りなし」のこと

    処方された薬を勝手に止めてみたものの

    良かれと思われることがつらい

    指先が少し憂鬱

    紙おむつと布おむつどっちがいいの?

    お父さんと娘さんの仲直り

    思春期の身だしなみ

    絆創膏が使えない

    窓を閉め切っていませんか?

    食生活と皮膚のこと

    消毒のし過ぎで手荒れがひどくなった

    マスクで思い出したことがあります

    「自分でできる」を待つ時間

    お化粧したいのに

    化粧したがる我が子に腹が立つ

    残留塩素とかゆみのこと

    子どもの言い分、親の心配。

    たかが耳切れ、されど耳切れ

    「入店お断り」の感染対策のこと

    就職したら肌トラブルが始まった

    痒い場所は身体のシグナルかもしれない

    二重マスク・抗菌マスクのこと

    もう一度洗い残しのこと

    アトピー性皮膚炎は遺伝するのかな

    ニョロニョロはもういない

    大きくなったら治るといわれても

    汗をかく部活動はやめさせるべき?

    動物を飼うこと

    母の手際と猫のこと

    偏食で痩せている-お父さんのチャレンジ-

    偏食で痩せている-責められていると感じるお母さん-

    偏食で痩せている-世の中と折り合いをつける-

    お風呂は悩みの種だった

    コロナ禍でもお医者さんとの対話をやめないで

    アトピー性皮膚炎の再発に気持ちが揺れる

    汗をかきたくなくてじっとしているわが子が心配(1)

    汗をかきたくなくてじっとしているわが子が心配(2)

    プールに入ったら塩素を洗い流し保湿しよう

    関連疾患とのおつきあい(1)

    関連疾患とのおつきあい(2)

    卵アレルギーとストロフルスのこと

    とびひのこと

    抗アレルギー薬のこと

    薬のこと「本当にそれでいいのかな?」

    動物が人里に持ち込むマダニやヒルのこと

    杉の木もないのに春先は目の周りがヒリヒリ

    春先のアトピー性皮膚炎の悪化をわかってもらえない

    ラテックス対策が必要でした

    傷だらけでもついやってしまうシュッ

    もう一度「薬のこと」

    ステロイドのこと

    かゆい眼鏡(1)

    かゆい眼鏡(2)

    新素材のこと(1)オムツ

    新素材のこと(2)食事エプロンやスタイ

    ビタミン補給と二人三脚

    扱いづらい身体のことをお父さん分かってよ

    頬が切れて痛々しかった

    成長と共に傷になる場所が変化した

    皮膚は記憶している?

    ステロイドのこと

    肌着には血や浸出液がついていました

    肌に優しい洗剤探し

    肌に合うもの探しは延々と続く