花粉が飛ぶ季節になると涙や鼻水が出てティッシュペーパーが手放せなくなり、子どもはポケットティッシュをたくさん持って学校に行くようになりました。
小学校の高学年になると、ついに「箱ティッシュをもって学校に行く」と言い出し「机の上は教科書やノートでいっぱいになるのに箱をどこに置いて使うのだろう」と気になりつつも、黙って箱ティッシュを持たせてやりました。
後になって詳しく聞いてみると、ティッシュの箱を下向きにして、机の下の膝の当たらない場所にガムテープで貼り付けて使っていました。
担任の先生と一緒に考えていろいろ工夫してたどり着いた方法だったそうです。
低学年の頃は食物アレルギーの症状がひどくアレルゲンを間違って食べると呼吸困難になっていたのに、年齢が上がるにつれてそれはだいぶ落ち着き、それに代わってアトピー性皮膚炎が現れては落ち着き、現れては落ち着きを繰り返し、時間と共に治りにくくなっていきました。
それに加えて花粉症が出てくると一年中何かの症状をケアするようになり、本人はそれに苛立っているようでした。
食事の後や温度差のある室外に出たとき、ほこりっぽいところなど、いつでもどこでもティッシュは手放せないし、網包帯をしている腕のアトピー性皮膚炎はいつ治るかわからないし。
そんなことに不便を感じているときに、何かの拍子に憂うつな気分にもなっているようでした。
そういうことが繰り返す日々の中で誰かがいっしょに「対策を練ってくれること」は、治療や症状改善と同じくらい、もしかするとそれ以上に子どもに勇気を与えてくれているようでした。