ぜんそくの症状が出始めるとアトピー性皮膚炎が現状維持かやや回復してくる感じがすると話す高校2年生のNさん。
アトピー性皮膚炎が悪化しているときにはぜんそくのコントロールがうまくできていて、いつもより元気で行動的になるそうです。
小学生のころから何となくそんな感じがしていて、中学高校と年齢が上がるにつれ、やっぱりそうだと確信するようになりました。
お母さんに説明すると「なるほど!」と納得してくれましたが、お父さんは信用してくれません。
家族の旅行計画を立てようとしたときに、
「梅雨の季節や夏場はアトピー性皮膚炎が悪化する、冬は喘息のコントロールが大変、春は花粉が飛んで身体全体の調子が悪くなるから、秋に出かけたい」
と話したら、おまえは頑固で自分勝手だと言ってお父さんは怒りだしてしまったそうです。
今では家の中に気まずい空気が漂い、Nさんは家族と顔を合わさないように食事時間をずらすようになりました。
そんな状態が数週間続いているのですが、「お父さんはそのうち機嫌を直すから大丈夫」とお母さんは気にしていない様子。
Nさんは少しでも自分の体の状態やつらいと感じていることをお父さんにも理解してもらいたいけれど、どうしたらいいのかわからず深く悩んでいるようでした。
高校2年生という年齢を考えるとお父さんはもしかして旅行に行けるチャンスは今年だけだと思って前のめりの気分だったのかもしれません。
お母さんは気にしないそぶりをしているけれど、Nさんが悩んでいることはきっとわかっているはず。
通院やスキンケアや薬の服用をお母さんはいつもそばで見守ってくれていたのだから、つらい状況は知っているはずです。
Nさんがお父さんに体調のことを説明すると喧嘩になってしまうのでどうしたらいいか困っていること、体調がいい時に家族と気持ちのいい時間を過ごしたいから季節にこだわっているのだということ、お父さんと仲直りしたいことを、まずはお母さんに話して、いっしょに解決策を考えてもらったらどうだろうと提案してみました。
高校2年生の女の子とお父さんの組み合わせは、分かり合うのが大変かもしれないけれど、お母さんが応援団になってくれたらきっといい方向に進むと思うよとNさんを励ましつつ、筆者も祈るような気持ちになりました。