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偏食で痩せている-責められていると感じるお母さん-

「偏食で痩せていて、アトピー性皮膚炎が長引いて治らない」というお父さんからの相談。

油脂、糖分、塩分の取りすぎがよくない循環を生んでいるという話をして、手作りハンバーグにチャレンジすることになったお話を前回しました。

後日談は、手についた肉の油をあちこちのタオルで拭き、テーブルや椅子の背もべとべとになったという惨憺たるものでした。

ただ、事前にお母さんに説明してあったため、思ったほど夫婦間は険悪にならなかったそうです。

子どもは、最初はまったくやる気がなく台所で機嫌悪いまま見学していましたが、玉ねぎやニンジンをすりおろしているあたりから興味を持ち、こねてペタペタ成型するときはいっしょにできたようでした。

たくさん作って冷凍する作戦はよかったものの、作りすぎて冷凍庫に入りきらず、あぶれたものをその日の夕食で食べたそうです。

子どもは喜び、冷凍したものを毎日食べる羽目になったが、野菜をすりおろすことに興味を持ち、カレーや肉じゃがにもいろいろな野菜をすりおろして入れて食べるようになったと、お父さんは手短に報告してくれました。

同じ日にお母さんから相談がきました。お父さんの話を聞いて「思い付きでばかばかしい」と当初は思ったものの実際に子どもがお菓子だけでなく食事も少し食べるようになったので驚いたこと、すりおろし野菜を何でもかんでも入れたがるので少し困っていること、最近便秘でおなかが痛いという回数が減ってきていることなどを話してくれました。

最近は、野菜をパスタのように削れるピーラーやひもを引っ張ると野菜がみじん切りになるキッチンカッターなどが売られるようになったので、すりおろし以外で楽しく食べられるものを何か作ってみるといいのではないか?

ドレッシングは油脂と糖分がたくさん入っているからたくさん使わないように注意した方がいい、サツマイモを軟らかく煮てつぶし、ラップで丸めたデザートなど、油を使わない野菜おやつを作るのはどうだろうかなど、野菜を食べる、糖分、塩分を抑える、チップス系の油っぽいおやつから少し遠ざかることをあれこれ話しました。

お母さんは子どものアトピー性皮膚炎がよくなったり悪くなったりしていることにとても疲れていて、お父さんが心配して「ああしたらいい、こうしたらいい」と話す度に自分が攻められているように感じていたようでした。

今回のハンバーグ作戦で夫が自分でやろうとしている姿を見て「私を責めているわけじゃなくて、子どものことが心配なだけなんだ」と実感できたと話してくれました。

それで、自分もできることがあるかもしれないと感じて連絡くださったのでした。

ひとつずつ、少しずつ、何かを変えていくのは本当に大変なことです。

うまくいくことを祈るばかりです。