サブタイトル

大きくなったら治るといわれても

梅雨のジメジメが終わり元気に過ごせる季節が来たと思ったら、いきなり暑すぎる夏がやってきました。

この時期になると
「汗をかくとアトピー性皮膚炎が悪化する」「あせもがなかなか治らない」という話題が出てきます。

それで自分の子育てのことを思い出しました。

我が子は、赤ちゃんの頃からアトピー性皮膚炎や食物アレルギーがあって、肘やひざも含め身体のくびれた所は全て何かしらの症状が出ていました。

食物アレルギーと診断されて原因食物がいくつか分かり、候補の食品を一旦全て除去して皮膚の様子を数週間確認する期間がありました。

そのときだけは嘘のように皮膚の傷がなくなり驚いたことを覚えています。

それから食品を1つずつ食べて皮膚や呼吸への影響をお医者さんと一緒に確かめる、長い道のりが始まりました。

医師の指示で
「きちんと除去するもの」「食べる量を抑えながら食生活に取り入れるもの」「2次加工品に含まれていて加熱して食べる分には全く問題ないもの」などを見極めながら生活すると、大部分の皮膚の症状は落ち着いたのに、肘の内側だけがよくなったり悪くなったりが続くことになりました。

胸の音のゼロゼロもなかなかすっきり消えることはありませんでした。

そして少し汗をかくと腕にあせもができて、1日に2回シャワーを浴びたり、それに加えて濡れタオルで拭ったりしましたが状況は変わりませんでした。

小学生の間はずっと腕に包帯を巻いていたように思います。

中学生、高校生と成長するうちにアトピー性皮膚炎は落ち着いたものの、あせもだけは夏の風物詩のように登場し、だんだん穏やかになり、いつの間にか姿を見なくなりました。

アトピー性皮膚炎に関連した本を読むと
「アトピーはもともと大人になると自然に治る病気だった」というような記述に出くわすことがあります。

それはそうかもしれないけれど、毎日の皮膚の様子を見ながら「かゆい」「痛い」「眠れない」ことに向き合う子どもや親にとっては、「自然に治る」までを平安に過ごせる訳がありません。

子どもは外で身体を動かし汗をかきながらでもたくさん遊ぶことが大切です。

たくさん遊んでのびやかに過ごせた時間が、将来を支えてくれるのだと多くの人は信じています。

だからこそ親たちは「汗をかくとかゆくなる」「あせもが出るとなかなか治らない」と不安な思いになるのだと思います。